「草間彌生」というアーティストを始めて知ったのはテレビのある番組でした。赤いウイッグをつけ水玉の服を着た80代の女性。精神病院に長い間入院し、病院から車いすで自らのアトリエに行き、ひたすらに絵を描き続けている姿が印象的でした。幼いころから幻覚に襲われ、その恐怖から逃れるために、そのイメージを絵にしてました。水玉や網目の出発点はその幻視からだそうです。
今回、草間彌生展が国立国際美術館で開催されているのを知り、さっそく行ってきました。雨にもかかわらず、美術館は混みあってました。彼女の人気の高さがわかりました。入り口のエスカレーターから赤い水玉のお出迎え。まずは「愛はとこしえ」50作品、その次が最新シリーズの「わが永遠の魂」でした。鮮やかの色彩の中に水玉、網目、眼の形、人の横顔等がひたすら繰り返しされており、エネルギッシュであるが不気味な感じでした。次の「チューリップに愛をこめて、永遠を祈る」の巨大なチューリップの立体作品はポップでインパクトが強いが、どことなく官能的。「魂の光」は室内が全面鏡で、いろんな色の電球が光り、光の点滅が鏡により広がっていくとても神秘的な空間でした。ポートレート3作は自画像で、すべて顔が水玉で埋め尽くされてました。とても斬新的で、今も衰えを知らない彼女のエネルギーに圧倒されました。彼女の作品が世界を虜にする理由がわかりました。
2012-02-15 00:00:00
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